8.感染症対策

Ⅰ.COVID-19(新型コロナウイルス)の剖検方法

九州大学ではCOVID-19剖検を行っています。
新型コロナウイルスは、肺摘出・気管支切断時に最も感染リスクが高くなります
従って、当部門では可能な限り感染しないよう“特殊な肺の摘出方法”を行っています。

<準備するもの>
 ・脱脂綿
 ・ゴム紐マスク
 ・ビニール(ポリ)袋(頭全体が覆える大きさ)
 ・10×10cmぐらいのペーパーウエス ※肺に密着するよう水を十分に浸す
 ・肺専用(肺のみ固定する)ホルマリンバケツ


<剖検前> 剖検室搬入前の準備
 遺体を全裸にし、目をマスクで被い、全身にアルコールを噴霧します
 その後、鼻腔にアルコールを浸した脱脂綿を詰めます。
 口腔内にアルコールを噴霧して、目を覆っていたマスクを、今度は口に移動します。
 頭部全体をビニール(ポリ)袋で被います。
 この状態で剖検室に搬入します。


<剖検中> 胸部肋骨を外したところから

 1.肺門気管支を人刺し指と中指で挟んで肺を上に持ち上げて切断します(肺を圧迫しないように注意)。

 2.肺に圧を加えないように、肺門気管支切断面を上にします。

 3.ペーパーウエスで肺門気管支切断面を覆い、肺とペーパーウエスを密着させる。
 (1~3はできるだけ速やかに行い、肺内エアロゾルが出ないよう心がける)

 4.重量、大きさを測ります(手際よく行う)

 5.速やかに肺専用ホルマリンバケツに入れて固定します。

 6.臓器摘出終了後は胸部腹部内をアルコールで噴霧します。

 7.縫合後、全身洗浄し、解剖室を退出します


<剖検後> 納棺するまでの作業
 全身をタオルで拭き、その後速やかに全身をアルコールで噴霧します
 鼻腔・口腔にアルコールを浸した脱脂綿を詰めます。
 エンゼルケア、着付けし、病院から搬出します。
 (5類移行後は納体袋に入れるなどの対応はしておりません)





Ⅱ.CJDの剖検方法

九州大学では現在CJDの受け入れは停止しております。
CJDは高バイオハザードの特殊剖検になります。
通常剖検と大きく異なり、バイオハザード対策・人手・準備・遺体のお返し等全てが特殊になります。

剖検承諾の際、御遺族へ必ず次のことを説明して下さい。
 ①御遺体はビニール製の納体袋に収めてのお返しになること
 ②納体袋は顔を見ることはできるが、袋の開封は厳禁なこと
 ③着用していた衣類は2次感染防止のため医療廃棄処理されること(衣類返却はできません)
 ④お返し時は衣類の着用はできず、裸でのお返しになること
 ⑤剖検に通常の2倍以上時間を要するため御遺体のお返しが遅くなること(目安:剖検開始から6時間)