一般の方へ

病理解剖をお願いされたら・・・

〇こんなときは病理解剖をおすすめします。

1. 診療中の病気の経過や死因について、臨床的には説明がつかない、あるいは、病理解剖以外の方法では確実な説明がつかない場合(死因については、確実な診断を得るには病理解剖を行うことが望ましい。)

2. 病理解剖によって、予期されなかった合併症が明らかになると考えられる場合

3. 診療行為中、あるいはその直後に予期されない死亡をされた場合(医療法に定められた医療事故調査制度の対象になる死亡例が含まれる。調査制度の「予期されない死亡」の定義については、平成27年厚生労働省令第100号を参照のこと。)

4. 治療中の方で、院内において突然死あるいは予期されない死亡をされ、診療行為と関係がないと考えられると同時に、 司法解剖の対象とならない場合(診療中の患者さんが治療中の疾患あるいは治療行為に関係なく突然、あるいは予期せず死亡した場合をさす。例えば就寝中に死亡していた場合などが挙げられる。)

5. 治験、臨床研究に参加している方が亡くなられた場合

6. 臓器移植のドナー(臓器提供者)、ならびにレシピエント(臓器移植を受けた方)が亡くなられた場合

7. 病理解剖の結果によって、ご遺族や一般の人の不安や疑念が解消できると考えられる場合

8. 妊産婦の方が亡くなられた場合(全例)

9. 全ての周産期あるいは小児死亡例

10. 職業、あるいは環境に関連する原因で亡くなられたと考えられる場合

11. 心肺停止状態で搬送された方で、その死亡について事件性がなく、司法解剖などの対象ではない場合(司法解剖および「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律」の対象となる場合(いわゆる新法解剖)は病理解剖の対象とならない。)

典:一般社団法人 日本病理学会 https://pathology.or.jp/ippan/byourikaibou.html

 

〇 病理解剖の意義・目的について

病理解剖は、御遺族が亡くなられた患者さんの死亡原因及び生前の病気による体の状態を知ることができます。
もし、医療機関へ受診していたなら、治療の妥当性や効果等も詳しく検証できます。
また、生前には見つかっていなかった病気等について、新たな情報を得られる事もあります。
病理解剖から得られた情報を分析することで、死因究明や治療方法の確立など、
医学の発展に大きく寄与するものと考えています。

 

〇 病理解剖の内容

Ⅰ.病理解剖 当日

費用は、原則として入院先の病院が負担します。
御遺族の方の負担金は基本的にありません。 ※例外があります

病理解剖に要する時間は、御遺体を解剖室に搬入後、平均して3時間程度です。

御遺体には、尊敬、礼を持って接しさせていただき、解剖後の御遺体は、丁寧に縫合・清拭して、お返しします。

解剖で切開(メスで切る)するのは、亡くなられた患者さんの疾患により切開部位・摘出臓器ごとに異なりますが、
主に次の傷跡が残ります。
①腹 部 : 恥骨(おへその下の骨の当たる部分)~ 剣状突起(あばら骨の下)
②胸頚部 : 剣状突起 ~ 左右鎖骨の間~ のどぼとけ
③頭 部 : 耳の裏 ~ つむじ ~ 耳の裏
傷跡について詳しく知りたい場合や希望されない部位がある場合は、解剖前に主治医に伝えて下さい。

縫合部には、肌色の医療用テープを貼り、縫合の跡・糸が目立たないようにします(下写真参照)。
襟付きの服を着ていても、どうしてもテープが一部見えてはしまします。

 

 

Ⅱ.病理解剖後

摘出された臓器はホルマリンで固定されます。その後、病理医が顕微鏡用の標本を切出し、診断を行います。
病理解剖から3ヶ月程でCPC(臨床-病理検討会)が開催され、病理医と主治医の間でカンファレンスを行い、
診断を決定して、剖検報告書を作成します。CPCの様子はこちらからご覧になれます。

Ⅲ.摘出された臓器の取り扱いについて

当部門では、病理解剖で摘出された臓器は10年間、大切に保管・管理されます。
その後、福岡市火葬場にて火葬しております。



Ⅳ.病理解剖の結果の説明を受けるに当たって

剖検報告書は、通常病理解剖の実施日から3~6ヶ月かけて作成されます。
結果は主治医より説明されます。剖検報告書 及び 結果の説明を希望される場合は、病理解剖の承諾の際に
主治医にその旨をお伝え下さい。
一方、結果を知る時期は時間の経過と共に心の整理もついて、やっと一歩が踏み出せる時期と重なります。
病理解剖の承諾時には「あれも知りたい、これも知りたい」と思っていたことが心境の変化により、
結果の説明を聞くに当たって“つらい”と感じるとしたら、どうぞ説明をお断りして下さい。

医療は、御遺族の意向や今後の在り方を最優先とし、可能な限り寄り添いたいと考えています。